鉄道写真と飛行機写真の撮影紀

2018年の表紙写真集

2018年1月の表紙

粉砂糖をまぶしたような

日本唯一の茅葺き屋根の駅舎がある湯野上温泉駅周辺は一面の雪景色だった。雪がやんだわずかの間に到着した列車。ふと風が吹いて、枝の上に乗った雪を飛ばした。その刹那、まるで粉砂糖をまぶしたように辺りが白く包まれた。 2018年2月の表紙

光り輝く未来の街で

2009年に開業した富山市内電車環状線・通称セントラム。歴史ある富山城の天守閣を背景に、近未来的な車両とシティホテルのまばゆい光。コンパクトシティ政策をリードする富山の光り輝く未来を象徴する希望の星だ。 2018年3月の表紙

黄色と緑の競演

銚子名物・一面のキャベツ畑の一角に菜の花が群れ咲いていた。しばらくすると列車の音がして、キャベツ色の電車が現れた。黄色と緑の競演。やっとやってきた春の足音に心が躍り出すような気がした。 2018年4月の表紙

東北天地に春が来る

忘れられない光景がある。あの大震災の1ヶ月後、被災地に咲いたたくさんの桜たち。春は必ずやってくるのだと、励ましのエールをくれた。それ以来、東北天地の桜がこれまで以上に特別なものに思えてきた。今年もまた、その春が来る。 2018年5月の表紙

まぶしい緑に包まれて

日本有数の豪雪地帯も、5月ともなれば芽吹いた若葉で明るくなる。五月晴れの青空の下、雪解け水と若葉の放つ底抜けの明るさが辺りを包む。まぶしい緑に包まれて、今年もまた、大好きな季節がやってきた。 2018年6月の表紙

江の川を眺めながら

ずっと訪れたかった路線だった。でも、どうしても遠くてなかなか逢いに行けなかった。そうこうするうちに廃止が決まり、気ばかりが焦る。やがてやっと巡ってきたチャンス。江の川を眺めながら進む列車の姿を忘れまいと、存分に追いかけた。 2018年7月の表紙

オホーツク、夏の海風

世界遺産・知床半島の峰々を望む丘。夏の日差しは厳しいが、北国をわたる海の風は、思いのほか心地よい。一両きりの列車がゆっくりと駆けてくる。いまや、オホーツク海に沿う唯一の鉄路となった釧網本線。いつまでも走り続けてくれることを切に願う。 2018年8月の表紙

いつまでも、つづく未来へ

炭鉱閉山、人口激減、財政破たん。そしてついに来年春、鉄道が廃止される。ともすると夕張の未来は暗いように見える。しかし、人がいる限り、未来は続いていく。いつまでも、つづく未来へ。夕張の前途をこれからも見守っていきたい。 2018年9月の表紙

黄色いデンシャと黄金の野原

日本では数少なくなったナローゲージの三岐鉄道北勢線。一部の復刻塗装を除いて黄色く塗られた可愛い電車がトコトコと走っている。黄金に色づいた田んぼの横をのんびりと走るこの光景が、いつまでも続いてくれることを切に願う。 2018年10月の表紙

それぞれの目的地へと

まもなく沈む夕陽をバックに、新千歳行のエアドゥが飛び上がる。その奥には名古屋を出た貨物船がゆっくりと南下する。向かう道は違えど、それぞれがそれぞれの目的地へ、逆風を乗り越え、荒波を蹴立てて進む。その両者にエールを贈った。 2018年11月の表紙

古都のもみじに酔いしれる

京都の紅葉の名所は数あれど、私の中のナンバーワンは嵐山でも、清水寺でもなく、鞍馬へ向かう叡山電車だ。観光列車「きらら」に乗れば、窓いっぱいに真っ赤なもみじが広がる。紅葉シーズン真っ盛り、叡山電車に乗って古都のもみじに酔いしれた。 2018年12月の表紙

きらきら華やか冬花火

さむいさむい、吹きっさらしの桟橋で、今か今かと待っていた。わずか15分間のショーのために、ずっとずっと待っていた。ホットで買ったミルクティーがとうに冷え切った頃、ようやく始まった。きらきら華やかな冬花火は、寒さを吹き飛ばす美しさだった。